全優石ふろむな倶楽部

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時間をかけて正直に向き合い
築き、育んだ
シャチとの信頼関係

鴨川シーワールド
シャチトレーナー

小松 加苗さん

入社15年目。1年間イルカのトレーナーを経てシャチの担当に。強い体幹、高い運動能力、柔軟性に裏付けられたパフォーマンスは圧巻。

ーーシャチのトレーナーさんになろうと思ったきっかけを教えてください。

私は小さい頃から好きなことしか続かない子だったので、好きなことを仕事にしたいなと思っていました。それと、水泳と新体操を習っていて得意だったので、小学生の頃に「水族館が向いてるんじゃないかな」と思い始めて、いろいろな水族館を見に行ったり調べるなかで鴨川シーワールドでシャチのパフォーマンスを見たときに「私も動物といっしょにプールに入ってパフォーマンスをしたいな」と思ったことがきっかけでした。

ーー海の王者と呼ばれるシャチと信頼関係を築くうえで心掛けたことはどんなことでしょうか?

動物に対してウソをつかないことは重要だと思っています。例えば、サブプールに移動してほしいときなどこちらが騙し騙しやってしまうと、動物ってどんどん疑ってくるんですね。パフォーマンスが終わって戻ってきたときも適当に褒めているとそれも伝わってしまう。だから、褒めるときも、こころの底から褒めています。

それは人間関係といっしょだと私は思っています。人間も初対面のひとと会ったときに楽しいことをいっしょにしたり、会話のテンポが合ったりすると「初めて会った感覚じゃないね」みたいになることありますよね。「このひと信用できるな」と思うと関係性ができてきたり。逆に、人間同士でも関係値がないひとに触られるのは抵抗があったりもしますよね。シャチもいっしょで、褒められているけど経験が浅いトレーナーに触られても「ん…」ってなるときがあるんです。動物もコトバが通じなくても同じだと思っているので、時間をかけてちゃんと向き合うことは意識していましたね。

ーートレーナーとして喜びを感じるのはどんなときですか?

水中でいっしょに遊んでるときです。関係性がないとできないことですし、水中にフリーの状態で入るのは危なかったりもするのでラビーが身を委ねてくれて、体を触って遊んでいるときは幸せを感じています。

ーーラビーちゃんとの忘れられないエピソードを教えてください。

やっぱり出産です。ラビーは今までに2頭の出産をしているのですが、1頭目のときはまだ私も新人だったのでわけがわからず先輩たちが動いてくれてという感じでした。2頭目のルーナを出産したときはだいぶラビーとコンタクトを取ることも増えていたので、18か月間の妊娠期間を見守って、出産にも立ちあいました。そして、その子が元気に育ってくれて、いろいろな種目を覚えて楽しそうにパフォーマンスをしている…この命の流れを見せてもらったことは、貴重な経験となりました。

ーー日本で唯一のパフォーマンスを続けるにあたって裏側で工夫されているのはどんなところでしょうか?

シャチに限らず、鯨類はすごく頭がいいので毎回同じ構成で同じ種目を繰り返すと「次は、これだよね」ってわかって飽きてしまうんですね。シャチたちが楽しみながらパフォーマンスしてくれることがいちばんなので、実はいろいろな工夫をしているんです。例えば、毎回、構成や種目を変えて動物たちがなるべく楽しく遊びの感覚でパフォーマンスができるようにアレンジしたりしています。

褒めかたもいろいろ工夫をしていて、エサをあげるときもあれば、氷をあげたり、なでて褒めたり、逆になにもなかったり。そうするとシャチたちは、「次はどんなサインを出されるんだろう?」「この種目をやって帰ってきたらどうやって褒めてくれるんだろう…?」という楽しみが増えるんです。だからお客さまにも、何回か見ていただくと「あれ、さっきと違うね!」とか「出てる子も違うね」といった変化を感じていただけるのではないでしょうか。

ーー鴨川シーワールドを訪れるクラブオフ会員の皆様にどんな想い出を持ち帰って欲しいですか?

鴨川シーワールドは園内の各所から太平洋が見える立地にあって、目の前の海から海水をポンプで引いて入れています。この環境で海に棲む動物や生物たちを間近で観察できるっていうのは大きな魅力のひとつです。そこから環境問題について考えたり、数多くいる動物や生物のなかから自分のお気に入りを見つけたり。大きな視野で捉えていただければと思います。

そして、私たちも動物や生物の魅力や能力を皆さんに楽しみながら学んでいただけるようにシャチといっしょにパフォーマンスをしているので、そのあたりも含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。

日本で唯一
シャチパフォーマンスが見られる水族館

  • 美しいフォームとその高さに客席からは拍手が。水中から空中へ、信頼関係があってこそ実現するアクロバティックな大技。

  • 目の前で繰り広げられるパフォーマンスに目を奪われがちだが、毎回変化をつけているというコミュニケーションにも注目。

  • トレーナーさんが客席前の通路を歩き、シャチが胸びれを振る種目も。まるで手を振ってくれているような姿が愛らしい。

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千葉 | 鴨川

鴨川シーワールド

千葉県鴨川市東町1464‐18

800種、11,000点の海の仲間たちを展示。イルカやアシカのパフォーマンスも人気です。楽しみながら海の生き物たちについて学べるプログラムも満載。

掲載の内容は2023年3月取材時の情報になります。 最新情報は施設へご確認ください。